暮れの人形町。
商店街もビルの谷間の観音様も新年の提灯の飾り付けが済んで、ちょっと焦る。
まだ、年賀状の準備もしていない…
IMG_20171223_163452


新年に、玄関に並んだ草履を見ると、
 ‎自分のは足の指の形に凹んでいて古いのに、みんなのは新品ばかりだなあ、と思っていた。
 ‎
違った。
指で鼻緒を掴むことを知らずに履いているから、跡がつかない。
 どうやって歩いてるのかねぇ、なんて首をひねる。
足の指で鼻緒を掴んでいれば草履面が足の裏についてくるので、パタパタと音もたたない。
 それから、つっかけて歩くと鼻緒がずんずん奥へずれて痛い。歩き難い。
 そんなわけで、草履は履き心地が悪い、ということになる。
 草履に申し訳ないような気がする。

 皇后様だって、何かのときには陛下をお支えできるように、と、ヒールのある靴より安定した草履で(着物で)式典に臨まれると聞いた。
 ‎
…なのに、ねぇ。
 ‎
 テレビで高齢者の転倒予防のための靴の紹介をしているのを見た。
内側が足袋のように仕切ってある。
指に力が入るので転びにくいのだと言っていた。
 (^o^)v おお、ソレよ。

暮れの人形町を歩きながら、かつて仕事でお世話になった染め物屋のおかみさんやら、蕎麦屋のお婆さん…思い浮かべてみると、普段着にエプロン掛けで草履を履いたおばちゃんが何人もいた。
「蒸かし芋食べてかない?」なんてキレのいい喋り口で、戦争で焼け残った話やら実家の染工場のことやら、随分たくさんのことを教わった。

あのお母さん達は、サンダルより草履の方が足が安定して歩きやすかったんだ。
正解だ。

やっぱり、草履や下駄で足の指を鍛えておいたほうが良さそうね。

タマ