帯を締める前に。
ウエストとお尻の間の凹んだ辺り(仙骨のあたり)に、キモノの上から腰布団をあてる。
腰布団は手のひらより一回り大きい楕円形のクッションみたいなもので、両サイドに紐がついている。
お太鼓にした帯の形を整えるため、また、帯のタレ先が跳ね上がらないようにするために使う。
 それから、帯の下辺お腹のところにある着物のおはしょりがボッテリしないよう見せるためにも役立つ。
おはしょりは、表に出ている着物の上前(左の身頃)の内側に下前(右の身頃)を端折った分が重なっていてそのまま帯を締めると着物の生地が重なってボッテリしてしまうので、下前分を上にかきあげて表側に出ている上前分だけにして、腰布団の紐で中の生地が落ちてこないように留めている。

文章だとわかりにくかな?
 まあ、とにかく腰布団は一つで二つの働きをしてくれるホントにありがたい道具。
IMG_20171210_142247
これから忘年会へ。
黒地の帯でいっそう華やか。
芯の無い帯も高さのある帯枕を使えば高い位置にお太鼓結びができる。

 お太鼓結びに使う帯枕はいろんなサイズのモノがあって、ざっくりいうと若い人や背が高い人、体にボリュームのある人は高さの出せるものを、お年寄りは細めのものを使う。
 キモノの後ろ姿は、帯のバランスの良し悪しでずいぶん印象が違う。

 最近は小さめに結んだお太鼓姿を見かけることが多いが、せっかくのきれいな模様が途中で切れていたり、余白がなくて窮屈な印象だったり。
きっと帯枕の大きさなどは気にしない人が殆どだろうと思うけれど、これも一人ひとりの体に合ったものにすれば、もっとよい景色になるだろう。
20171210_163708-COLLAGE
家族の結婚式で、
朝から夕方までの長丁場。
留袖の二重太鼓は少し小さめに。
変わり結びは背もたれで潰れても気にならないような結び方。
披露宴でフレンチのフルコースも完食した、とのことだった🍴

参考までに。
着物の下着や半衿に衿芯、帯板、帯枕、腰布団など着付けに必要なものは銀座四丁目の津田家さんで揃えている。
昨年、創業百年を迎えた老舗は、やはり間違いなく頼りになる。

タマ