江戸芸能遊び

小唄と日本舞踊、着付けの稽古場「遊芸の稽古所・はしもと」の日々のお稽古やイベントのお知らせをしています。 「江戸の芸能で遊ぶ」楽しさをお伝えするブログです。
初心者にも分かりやすく本格的なお稽古をやってます。

歌舞伎

11月27日春日会の「うがいのあとの垣の梅」は「梅暦」の米八と丹次郎の人目を憚る逢引の場面なんだそうで。

 芸者とはいえ町娘のような様子の、十七歳の米八が梅の蕾をもぎ取って口に含む…
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 この唄、歌舞伎として上演されるようになった明治期の作かと思ったら江戸時代のものだった、と解説にあった。
 ‎許嫁がありながら芸者と逃げたら、他の芸者からも惚れられて…というイケメンの争奪戦。
 ‎天保の改革で発禁処分になった為永春水の作で、生きにくい世の中であったことは間違いないけれど。

 ‎江戸の色恋沙汰は、意地と張りと嗜みが美しい衣装を着て、見惚れてみたり、啖呵をきったり。
鮮やかでいい気分の芝居。

 ‎古い時期の小唄は息がたくさん要るし、難しい…と師匠。

確かに。
タマ

十二月歌舞伎座の「蘭平物狂」は、花道に立てたはしごのテッペンの「逆さ大の字」など、緊張感のある大掛かりな演出の立て(たて)で客席が湧いている。
 この「蘭平」の立てを創り上げたのは、とんぼの神様といわれた坂東八重之助さん。
以前にこのブログでもふれたことのある、“お師匠さんのお師匠さん”の一人。

 舞台の真ん中の大きな石灯籠に
井戸の屋根から飛び移る演出があるが、「最初はあんなに大きな灯籠じゃなかった」とお師匠さん。
役者も大柄になってきてるし、危ないから…ね、と。
気を抜くと命にかかわるようなことの連続、それを軽くこなすから見る方は楽しい。
八重之助さんは「蘭平」の立てで、毎日文化賞を受賞している。

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通称「アリンコ」といわれる立ての型を八重之助さんが描き続けていたのをお師匠さんは覚えているという。

 八重之助さんは「立ての型」を記録に残し、新しい工夫も重ね、歌舞伎の立て師としてはじめて人間国宝に指定されたのだけれど、この方のひたむきな熱心さが無かったら、歌舞伎の立ての継承も上手くできなかったんじゃないかと思う。

 いつか松竹新喜劇を観に行ったら、この「立て」をパロディでやっていた。
どんな芝居だったか忘れてしまったが、スピーディな立ての連続に客席も大喜びだったけど、
隣の席で師匠が、次はこんなのやるよ…と言い当てながらケラケラ笑って、「ほうら、やった、ほうら。」と。
しまいには涙を拭きながら笑っていた。

この楽しみを残してくれた八重之助さんに感謝しよう。

タマ
 ‎

五月五日 
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爽やかな一日でした。
鉄砲洲稲荷神社は、二日から今日までお祭り
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 鉄砲洲稲荷神社傍の公園では、
新富座こども歌舞伎十周年記念の奉納歌舞伎が上演され、
 こども達の役者振りに拍手喝采。

出番が終わった桜丸(車引)と「花見踊」の出演者
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演目は
「寿式三番叟」
「車引」(菅原伝授手習鑑)
「元禄花見踊」
「白浪五人男」

豪華四本だて🎵
衣装もかつらも野外特設舞台も本格的です。

時おり吹く風に、傘を持っていかれそうになりながら、がんばってこらえた白浪五人男。
せりふも見得もお見事でした。
 
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「恋よ恋、われ中空になすな恋」
徐々に明るくなる舞台は、菜の花に桜の若木。

写真は西川春喜久師の「保名」
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 春の野辺に、もうすでに幻の世界に住む保名が、恋人のかたみの小袖をを抱いて狂いさまよう。
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 男っぽくても変、なよなよと女っぽくても変。そのあたりが難しい。

 七代目梅幸さんの保名は、けだるく美しく高貴な雰囲気があった。
定まらない視線の先に保名が見ている幻の世界が感じられて、せつない。
 歌舞伎座の大道具でしかないのに、どこの春より春らしい気がしたのは、芸の力ということか。

 明治までは鳥居前でまん幕をはった大道具であったのを、今の形に変えた六代目菊五郎は、
「なんだか夢の中で雲の上を歩いてるように思うことがあります。ひとりでに踊れてくるんだ」と。

ひとりでに、ね。
名人のおっしゃることことはスゴい。

春よこい。
タマ




今月の「助六由縁江戸桜」は、
江戸生まれの浄瑠璃「河東節」開曲三百年の記念上演とのこと。

 市川團十郎家上演に限っての、助六の出端の河東節。
 助六を唄う小唄にも、河東節の一節が使われていて勝手に「助六のテーマ」と名付けて、あのさらっとした江戸っぽさに近づけたらいいな、と稽古するけど。
何でもないように弾けたり唄えたりするには、まだまだ。
 
 河東節は、元は蔵前の旦那衆、現在は「十寸見会」の方々が日替わりで出演しているそうで、「河東節十寸見会御連中様」と、お客様として扱われる珍しい存在。
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かつては、「助六由縁江戸桜」が上演される劇場の周りに桜を植え、新吉原や魚河岸が後援して町全体がお祭り騒ぎだったというけれど、
江戸から続く祝祭の気が繋がっているのか、「助六」と聞けば、やはり華やかな気分になる。
傾城の豪華絢爛に、助六の胸のすくような江戸弁とかっこよさ、荒事に和事、敵役に二枚目、三枚目、立女形、老女…、いわば歌舞伎の役柄すべてが次々に登場する面白さ。
 目の前に展開する絵面を、ぼうーっと観ているだけでいい気分。

 「白酒売り」の菊五郎さんの驚くほどの若々しさ、品よくおっとりとコミカルな芝居、勝手ながらこれ以上はない♪と思った。

   
今回は、魚河岸から鉢巻きの贈呈があり、その目録が2階ロビーに展示されている。
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五月は團菊祭
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タマ(^^)/

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