江戸芸能遊び

小唄と日本舞踊、着付けの稽古場「遊芸の稽古所・はしもと」の日々のお稽古やイベントのお知らせをしています。 「江戸の芸能で遊ぶ」楽しさをお伝えするブログです。
初心者にも分かりやすく本格的なお稽古をやってます。

キモノ

六月九日
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おかげさまで小唄ライブ、無事にお開きとなりました。
 暑い中、上野駅から十数分の道のりを来てくださいました皆様、ありがとうございました。
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【写真は会長のご挨拶】

 当稽古所としては初めての「若草ライブ」参加でしたが、出演20組それぞれ真面目に取り組んでいるのだなぁと感じました。
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【上の写真は出演者一同】
 来年は流儀の創立90周年とのことで、国立劇場での公演にも参加させていただくと思います。
 日々、精進…。

そんなわけで、ささやかな打上げ♡
あまりの暑さにかき氷とクリームあんみつ
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今日の二人のキモノは、カジュアルな単衣の小紋に絽綴の無地の帯にしました。
唄の雰囲気に合わせたつもり。
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タマ(^^)/

もう、十年余も前のことだけれど銀座の老舗呉服店にて。
 夏帯と帯締めの組合せで迷っている友人に、番頭さんが「ぼうっとしてるのがいいんですよ」と。
…良い意味で、ぼうっとしたところのある友人なので可笑しかったが。
ホントにその通り。
 キリッと見えるかと思って強い色を効かせると、悪い目立ち方をしたり他のものには使えなかったりする。
 そうそう、番頭さんのおっしゃるとおり、ぼうっとしてるくらいのほうが品良く涼しげに見えるのです。

 ディスプレイや衣装をそのまま日常空間にもっていくと浮いてしまうのは当たり前。
 いわゆるバブルの頃、呉服店のウィンドウディスプレイや店内のレイアウト、キモノショウ等をずいぶん経験させてもらった。
 お客様の目をキャッチするために、いわば舞台装置を組んでキモノを際立たせる。
 お店を覚えてもらうのが目的。
だって、呉服店はどこも呉服店でしかないので、
それぞれのお店を「あの呉服店」と覚えてもらうことが当時の仕事だったように思う。
 キモノショウというのも華やかで、実際にはしないような着付けでショウアップもする。
キモノは同じシルエットなので動きがない、なんとかならないか、なんてオファーもあった。

 「あれ買ってどうするんだろう」と思うような数百万円の作家物やら、奇をてらったようなものも売れていたと思う…(笑)

 髪飾りをプロデュースしたことがあった。
正絹の帯地で少し傷のあるものを安く仕入れ、良いとこ取りで贅沢なリボンを作ったが、品良く仕上がったと思っても、紅い玉カンザシなどを足したほうがよく売れることがわかった。

ちょっと過ぎたモノの方が売れるのです。
 …飾りたい気分はわかるけど、ちょっと引いたほうが街の風景にもその人にも馴染みます。

 頑張らなくても、ただ似合うようにキモノを着ているだけで、
その人の「いい感じ」は自然に出てくるものだと思う。
 着付けを習いに来てくれた皆さんのキモノのコーディネートや、その人に似合うスタイリングの仕方を工夫するのだけど、
キモノを着るというちょっとした緊張感だけでも人はキレイになれるんじゃないかと、いつも思う。
 よほど洋服が似合っている人でもキモノを着ると違った美しさが現れるし、着付けのお稽古に来たときより帰るときのほうが、みんなキレイになってる。
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ふだんに着るキモノ
(^^♪いいものだな、と思う。

タマ

 思いおこせば、
明治生まれの年寄りたちは、口を揃えて、洋服は窮屈でいけないと言ってたけれど…それも、いまは昔。
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いつ頃からキモノがタイヘンなものになったんだろう。

 昔ながらの着方なら、カラダ全体を木綿で包んだ上に絹を重ねて温かく、からだから出てくる余分な湿気は襟元や袖口、身八つ口から逃がしてくれる。
帯は姿勢を保つのに役立って、大事な内臓を冷やさず腰も守ってくれる。
 夏は絽や麻の襦袢に薄物を着ればさらさらと、蒸し暑さのなかで見る人にも清涼感を与える。
 日本の気候にはとても合っていると思うのだけど…ね。

 伊達締めと腰ひもで、その日の体調やキモノの種類、出かける先の都合にあわせてナチュラルに着る。
もちろん着慣れるということもあるけれど、よほど暴れない限り腰紐さえしっかり締めておけばさほど着崩れることもないように思う。
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 今年も、腰紐の位置だの半襟の付け方だの喧しいことを言い続けることだろうけど、目的はカラダに優しくキモノを着ること。
からだに優しく着れば、キモノの扱いも優しくなる。
ゆとりを持って気分をあげていこう。
タマ


明けましておめでとうございます

国立劇場の初日は晴天。
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お庭の松がきれいです。
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初日恒例、出演者の鏡開きからはじまって、太神楽に振舞酒、獅子舞とお正月気分を一気に味わって、ロビーは大賑わい。
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お師匠さんのキモノは初芝居に相応しい鶴と亀の江戸小紋。
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お芝居は「世界花小栗判官」
お姫様に町娘、盗賊にイケメン、立回り、お馬も大活躍。ダイナミックな舞台転換…と、歌舞伎の要素が詰まった楽しさ。
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大詰めで、時蔵さんが放った手拭いをゲット👍
今年も良いことがありそう。

タマ😽

帯を締める前に。
ウエストとお尻の間の凹んだ辺り(仙骨のあたり)に、キモノの上から腰布団をあてる。
腰布団は手のひらより一回り大きい楕円形のクッションみたいなもので、両サイドに紐がついている。
お太鼓にした帯の形を整えるため、また、帯のタレ先が跳ね上がらないようにするために使う。
 それから、帯の下辺お腹のところにある着物のおはしょりがボッテリしないよう見せるためにも役立つ。
おはしょりは、表に出ている着物の上前(左の身頃)の内側に下前(右の身頃)を端折った分が重なっていてそのまま帯を締めると着物の生地が重なってボッテリしてしまうので、下前分を上にかきあげて表側に出ている上前分だけにして、腰布団の紐で中の生地が落ちてこないように留めている。

文章だとわかりにくかな?
 まあ、とにかく腰布団は一つで二つの働きをしてくれるホントにありがたい道具。
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これから忘年会へ。
黒地の帯でいっそう華やか。
芯の無い帯も高さのある帯枕を使えば高い位置にお太鼓結びができる。

 お太鼓結びに使う帯枕はいろんなサイズのモノがあって、ざっくりいうと若い人や背が高い人、体にボリュームのある人は高さの出せるものを、お年寄りは細めのものを使う。
 キモノの後ろ姿は、帯のバランスの良し悪しでずいぶん印象が違う。

 最近は小さめに結んだお太鼓姿を見かけることが多いが、せっかくのきれいな模様が途中で切れていたり、余白がなくて窮屈な印象だったり。
きっと帯枕の大きさなどは気にしない人が殆どだろうと思うけれど、これも一人ひとりの体に合ったものにすれば、もっとよい景色になるだろう。
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家族の結婚式で、
朝から夕方までの長丁場。
留袖の二重太鼓は少し小さめに。
変わり結びは背もたれで潰れても気にならないような結び方。
披露宴でフレンチのフルコースも完食した、とのことだった🍴

参考までに。
着物の下着や半衿に衿芯、帯板、帯枕、腰布団など着付けに必要なものは銀座四丁目の津田家さんで揃えている。
昨年、創業百年を迎えた老舗は、やはり間違いなく頼りになる。

タマ

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