春日流小唄の「お祭り佐七」は、
十五世市村羽左衛門を指して「その噂さえ橘や」(羽左衛門の屋号の橘屋)という歌詞が付いてます。
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今月の歌舞伎座は音羽屋さん。
江戸弁が気持ちいい。
菊五郎さんだと、一本気とはいえ、もうちっと分別がありそうな、、、。
後先構わずカッとなって斬りつけるような人には思えない。
こっちが勝手にそう思ってしまってるのかもしれないけど😆

劇中劇のお軽勘平は、みんな順番に子どもの頃にやってきたお役だそうで、今回も親戚一同が見守るなかです。
インスタでも拝見しましたが、亀三郎さんのお軽もずいぶんお稽古されたんでしょう。
眞秀さんとの道行きはお似合いです。
お祭りの浴衣姿で延寿太夫も出演。
賑やかな幕開けで、気分はすっかり江戸育ち。

小唄「お祭り佐七」

町々へ音に聞こえし江戸育ち
その噂さえ橘や
かけた羽織の情けさえ
袖にかえした仇口に
喧嘩冠りの一本気
縁の糸もふっつりと
切れて読みなす文の綾
辻行灯に照らす真実


ほかに、この芝居では柳橋への場面転換で「柳橋から」、
小糸殺しの場で「露は尾花」がゆるりと演奏されます。
このゆったりとした小唄と凄惨な殺しの場面との取り合わせは、スローモーションのようにも感じられて、最初に思いついた人は天才。

歌舞伎にも、ちょいちょい小唄が出ますから、たまに黒御簾の方も気にしてみてください。

タマ