江戸芸能遊び

小唄と日本舞踊、着付けの稽古場「遊芸の稽古所・はしもと」の日々のお稽古やイベントのお知らせをしています。 「江戸の芸能で遊ぶ」楽しさをお伝えするブログです。
初心者にも分かりやすく本格的なお稽古をやってます。

2017年03月

「恋よ恋、われ中空になすな恋」
徐々に明るくなる舞台は、菜の花に桜の若木。

写真は西川春喜久師の「保名」
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 春の野辺に、もうすでに幻の世界に住む保名が、恋人のかたみの小袖をを抱いて狂いさまよう。
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 男っぽくても変、なよなよと女っぽくても変。そのあたりが難しい。

 七代目梅幸さんの保名は、けだるく美しく高貴な雰囲気があった。
定まらない視線の先に保名が見ている幻の世界が感じられて、せつない。
 歌舞伎座の大道具でしかないのに、どこの春より春らしい気がしたのは、芸の力ということか。

 明治までは鳥居前でまん幕をはった大道具であったのを、今の形に変えた六代目菊五郎は、
「なんだか夢の中で雲の上を歩いてるように思うことがあります。ひとりでに踊れてくるんだ」と。

ひとりでに、ね。
名人のおっしゃることことはスゴい。

春よこい。
タマ




今月の「助六由縁江戸桜」は、
江戸生まれの浄瑠璃「河東節」開曲三百年の記念上演とのこと。

 市川團十郎家上演に限っての、助六の出端の河東節。
 助六を唄う小唄にも、河東節の一節が使われていて勝手に「助六のテーマ」と名付けて、あのさらっとした江戸っぽさに近づけたらいいな、と稽古するけど。
何でもないように弾けたり唄えたりするには、まだまだ。
 
 河東節は、元は蔵前の旦那衆、現在は「十寸見会」の方々が日替わりで出演しているそうで、「河東節十寸見会御連中様」と、お客様として扱われる珍しい存在。
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かつては、「助六由縁江戸桜」が上演される劇場の周りに桜を植え、新吉原や魚河岸が後援して町全体がお祭り騒ぎだったというけれど、
江戸から続く祝祭の気が繋がっているのか、「助六」と聞けば、やはり華やかな気分になる。
傾城の豪華絢爛に、助六の胸のすくような江戸弁とかっこよさ、荒事に和事、敵役に二枚目、三枚目、立女形、老女…、いわば歌舞伎の役柄すべてが次々に登場する面白さ。
 目の前に展開する絵面を、ぼうーっと観ているだけでいい気分。

 「白酒売り」の菊五郎さんの驚くほどの若々しさ、品よくおっとりとコミカルな芝居、勝手ながらこれ以上はない♪と思った。

   
今回は、魚河岸から鉢巻きの贈呈があり、その目録が2階ロビーに展示されている。
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五月は團菊祭
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タマ(^^)/

三月三日、雛祭り。
今月は桜の小唄のお稽古をしています。
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桜といえば、

歌舞伎座は本日初日。
夜の部では海老蔵さんの「助六由縁江戸桜」が上演されています。

小唄の方では、
「花の雲」
「春霞ひくや」
「春霞たつや」
「おちこちに」
助六さんの唄はたくさんございます。
江戸桜、黒小袖、紫の鉢巻き、吉原大門と、はなやかな内容の小唄です。

「夜桜や」
通人の出がこの唄です。
時事ネタなども織り込んで、見物も大喜びの楽しい場面。
通人といえば、先代の河原崎権十郎さん。
それから、尾上松也さんのお父さん、松助さんのハイトーンの江戸弁も心地よかった。

「夜桜や」
夜桜や 浮かれ烏がまいまいと
花の木影に誰やらが居るわいな
とぼけさんすな
芽吹き柳が風にもまれて
ふうわりふうわりと
おおさ そうじゃいな
そうじゃわいな


気分は春ですが、浮かれるにはまだ寒い。
タマ(^^)/

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