小唄と踊りと着付けのお稽古日記

小唄と踊りと着付けの教室「遊芸の稽古所・はしもと」の生徒たちがつづる日記ブログです!
初心者にも分かりやすく本格的なお稽古をやってます。

2016年09月

 子どもの頃から、着物を着たら背中の真ん中に帯の結び目があるのは当たり前で、それを痛いとか帯がイヤだとか思ったことが無いのは親の着付けがコナレタものだったからかもしれない。

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 まだ、お太鼓帯をちゃんと締められなかった頃、背中で帯を挟んで止める式の枕乗せを親からもらった。
後ろで結ばずに済むから楽なんだけど、中身は金物なので、歌舞伎なんかで長い時間腰かけていると背中が痛い。
 これじゃ具合がわるい、と思って洋服の上に帯を巻いて何回も結ぶ稽古をした。
 なんとか結べるようになっても、ときどき帯を余計に捻って結び目が大きくなり、背骨にあたって痛い。
 不器用なので苦労したけれど、その後、美容師さんに着付けを教えることになり、着心地に気を付けるよう伝えるのに役立ったと思う。

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 お稽古場を運営するようになって15年、踊りや小唄のお稽古に来る方々に着付けを教えているけれど、後ろで帯を結べなかったケースは皆無なので、そんなに難しいことでもないのだと思う。

 帯は、とにかく結びさえすれば、下側がきゅっと締まってお腹が収まり、上側に余裕ができて呼吸も楽、お腹一杯食べられる。
スマホやらSuicaやらサッと出したいものを挟めるから、なんなら手ぶらで出掛けられる。
実に便利。

嘘じゃない。
タマ(^^)/


腰紐一本で、体に合わせて着られるのがキモノの良いところと思うのだけど、そこにはやはりコツと慣れが要る。
 習ったところで慣れないことには身に付かない。

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 最初のうちは、考え考え、あっち見たりこっちが気になったり、体を動かしながら着るものだから、ぐちゃぐちゃだった写真のお二人も、慣れて、無駄に動かず雑談しながら着られるようになり、キモノが身に付いてきた。

 いつだったか、他所の踊りのお稽古から戻ってきたお師匠さんが
「腰紐をウェストに締めてるんだもの。
あれじゃあカタチにならない。
どうしてあんなところに締めてるんだろう」と、嘆いていた。

 腰紐の位置は、昭和30年ごろ婦人雑誌などで「ウェストに締めるのが今風」という啓蒙活動?があったようで、今ではウェストにタオルを巻いて紐を締めるのが一般的な着付けになっているように思う。

 そういわれても、唄ったり踊ったりするには、腰紐は腰になくちゃ都合がわるい。
ウェストで締めた紐は横隔膜を上げ下げする呼吸には邪魔だし、お腹が空いたらゆるんでしまう。しかも締め直せない。
おはしょりを捲って締め直せるような位置にないと困ってしまう。

 直線縫いの布を纏うのだから、左右の褄先を上げないと裾が広がってしまうし、衿周りにはある程度のゆるみがないと動けない。
体に合った加減がわかるには、やはり慣れるという方法が回り道のようで近道だと思う。
 
着心地よく着られるように、この秋は着なれる稽古をもうひとつ工夫をしようと思う🎵

タマ

九月九日は重陽の節句。
元は旧暦の九月九日なので、すっかり秋も深まった菊の季節です。
菊の花に綿を着せて集めた露で体を清めたり、お酒に入れて飲んだり。
長寿を願い、また祝う日とのこと。

写真は「菊の泉」という踊りで、狩衣姿のお師匠さん。
藤間豊之助師の会にて、撮影は写真家の西村多美子さん。

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こういう衣裳は初めてだったそうですが、若々しくて美しくて、セリで上がってきたときに撮影していた西村さんが、思わず小声で「きれいねぇ~」と。
七百年も少年のままという「菊慈童」を思い浮かべて、舞台の上のお師匠さんはホントに不老不死と思えた。

菊に月に虫の音、秋を楽しむゆとりを持ちたいものです。





夏のおさらい会が無事に終わって、浴衣のお役目も八月でおしまい。
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温暖化で、衣替えのルールもそのうち変わるのかもしれないし、自分勝手な普段着は気候に合わせて適当に、今時分はあまり透けない夏の着物で暑苦しくないように過ごしているけれど、さすがに浴衣は着ない。
九月の浴衣はやはり色褪せてみえる。

 花柳章太郎の衣装写真集に、泉鏡花の小説を舞台化した「瀧の白糸」の、首抜きの浴衣姿があったけれど、美しくて何かうすらさむい様子が、このあとの悲しい展開まで想像させる。
小説では、たしか浴衣に赤ゲットを羽織って出掛けるんだった。
金沢は夏でも夜は寒いのかな。
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小唄「瀧の白糸」

 楽屋をぬけて橋の上
肌に冷やつく縮緬浴衣
扇づかいも水藝の御目通り
笑顔で隠す今宵の別れ
浮世のせぜを啼き渡る
あの夜烏も旅の空
月に更けゆく遠あかり

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さて、衣替えだけど、
たしかに手間はかかるが、気持ちに区切りがつく。
夏が過ぎて、袷になる前に少し慌てぎみに半襟をかけたりすることで、ちょっと気分が上がる。
シチメンドクサイと思えばそれまでだけど、簡単便利ばかりでは損な気もする。
こう言うと、よほど針仕事が上手そうだけど、ぜんぜん駄目。
運針すら覚束ない。
それでも、何年も何十年もやってるうちに、自分好みの衿の掛け方なんてものができてくる。
肩幅が広いとか、首が短いとか、短所を少しでもカバーしようと工夫する。
人に見せるところではないから、縫ってありゃいいわ、てな不真面目な縫い目でも間に合うこと。
昔はみんなそうしたものだったんじゃないかいな。
学校みたいなところで教わるからシチメンドクサイことになってるんじゃないかな。

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